第135章 『長風』のヒロインは竹内薫乃?!

大学入試の時期がますます近づき、工藤みやびは毎日緊張した復習の中で過ごしていた。

あっという間に、『長風』の衣装写真撮影の日がやってきた。

撮影時間は午後だったので、午前中は学校に行って半日授業を受け、午後だけ休みをもらって石橋林人から送られてきた撮影場所に向かった。

撮影スタジオではまだ女優の撮影が行われていたので、メイクアップアーティストが彼女のところに来てメイクとスタイリングをしてくれた。

「綺麗な顔立ちしてるから、私たちメイクさんは楽だわ」

肌はもちもちで、まつげは長くて上向き、顔立ちも繊細で立体的だった。

彼女は簡単にベースを作り、アイメイクをするだけで完成した。

工藤みやびは鏡を見ながら、メイクアップアーティストに微笑んだ。

「お姉さんもとても綺麗ですよ」

すでに30代のメイクアップアーティストは彼女の褒め言葉に、嬉しそうに笑顔になった。

「まあ、なんて甘い口の子なの。年齢的には私のことをおばさんと呼ぶべきなのに」

「そんなはずないです。せいぜい20代くらいにしか見えないのに、どうしておばさんなんて呼べますか?」

メイクアップアーティストとスタイリストは俳優が最終的に画面上でどう見えるかに直接影響するので、もちろん敵に回すわけにはいかない。

二人が楽しく話している時、メイクアシスタントが慌てて駆け寄ってきた。

「禾純さん、ヒロインがメイク直しを必要としています。行ってほしいと」

チーフメイクアップアーティストの禾純さんは深いため息をついた。「メイク直しくらい、あなたたちでできないの?」

彼女は主役の男女と準主役の男女、計4人のメイクとスタイリングを担当し、他の脇役俳優のスタイリングもチェックしなければならなかった。メイク直しまで彼女が直接行かなければならないのか?

「さっき撮った写真が適切ではなくて、メイク直しして撮り直しになりました」

禾純さんは工藤みやびのアイメイクを終え、アイライナーを置いた。

「じゃあ、彼女の髪をセットして、衣装に着替えさせて」

撮影する小倉穂は男装のスタイルだったので、衣装とスタイリングはとても簡単で、すぐに準備が整った。

まだ彼女の番ではなかったので、本を取り出して待ちながら復習を始めた。