第134章 藤崎雪哉ほど格好いい人は、二人といない

翌日学校に着くと、朝の自習が終わるとすぐに放送で学校側の処分結果が発表された。

教務主任の吉田金太は生徒の親からの賄賂を受け取っていたことが発覚し、学校側から教務主任の職を解かれた。

あの金髪の女子生徒は何度も喧嘩に関わったため、退学処分となった。

山内三琴と他の数人の女子生徒は、全校に通達して批判された。

鈴木紀子はそれを聞くとすぐに彼女の教室に駆けつけ、興奮して言った。

「雅、聞いた?聞いた?あいつらに報いが来たよ」

工藤みやびは軽く微笑んだ。藤崎雪哉が介入したのだから、当然これらの人々が良い目を見るはずがない。

しかし、これでみんな大人しくなるだろうから、彼女は卒業まで安心して学校に通えるはずだ。

「さっき中山里奈の横を通ったとき、ちらっと見たら顔が青ざめてたよ」鈴木紀子は机を叩いて大笑いした。

昨夜帰宅後、仲の良いクラスメイトから内密に聞いたところによると、昨日の件は中山里奈と山内三琴があの数人の女子生徒を唆して荒木雅に仕掛けたものだったという。

でも、彼女の神様は前回あんなに大勢の男たちにも負けなかったのだから、ましてやあの小娘たちなんて問題ないだろう。

「ちゃんと復習してよ、そんなにゴシップに夢中にならないで」工藤みやびは笑った。

鈴木紀子のこの性格は高級官僚の家庭出身の子どもには全く見えないし、前回彼女を会所のパーティーに連れて行かなければ、彼女が服部家の人間だとは思いもしなかっただろう。

鈴木紀子は左右を見回し、周りに誰もいないことを確認すると、彼女の耳元に近づいて尋ねた。

「神様、藤崎雪哉って...あなたの藤崎おじさんじゃないの?」

工藤みやびは少し驚いた。「どうしてそう思うの?」

「ふん、この前千晴の家にあなたを迎えに来た時、あなたを見つめる愛情たっぷりの眼差し、誰を騙すつもり?」鈴木紀子は不満そうに鼻を鳴らした。彼女が本当のことを言ってくれないなんて。

「...」工藤みやびは眉をひそめた。

愛情たっぷりの眼差し?

彼女のどの目が藤崎雪哉の愛情たっぷりの眼差しを見たというのだろう?

「だから、あなたは藤崎社長と付き合ってるんでしょ?」鈴木紀子はさらにずる賢く笑った。

工藤みやびは乾いた笑いを浮かべた。「恋愛小説の読みすぎじゃない?」

彼女は自分と藤崎雪哉が今恋愛関係にあるとは思っていなかった。