第173章 実力が全てを証明する

工藤みやびは電話を切ると、急いでスマホでツイッターを開き、竹内薫乃のツイッターを検索した。

そして、彼女の最近の2つの投稿を見た。

一つは撮影現場の裏側動画で、内容は昨日彼女と演技中に怪我をした場面だった。

動画の中で、竹内薫乃は彼女との演技中に怪我をし、撮影スタッフの多くが駆け寄って心配していた。

彼女だけがその場に立ったまま、一度も見向きもしなかった。

そして、次の投稿には:「私の演技はまだまだ未熟ですね。」と書かれていた。

さらに2枚の写真が添付されていて、一枚は彼女の怪我の写真、もう一枚は悲しそうな表情の自撮り写真だった。

ツイッターのコメント欄には、竹内薫乃を心配するファンの大群と、演技中に手を出して人を傷つけるべきではないと彼女を非難するメッセージがあふれていた。

工藤みやびが自分のツイッターにログインすると、最新の投稿には竹内薫乃のファンからのコメントで溢れていた。

「インフルエンサーが何の映画に出るの?笑える。」

「人を傷つけておいて、謝りにも行かないの?」

「わざと私たちの薫乃を傷つけたんでしょ?」

「あなたのお母さんは人を傷つけたら謝るべきだと教えなかったの?」

……

彼女は数ページめくると、意味ありげに口角を上げた。その中には『長風』の原作ファンからのコメントも混ざっていた。

「インフルエンサーに小倉穂を演じさせるなんて、冗談でしょ?」

「竹内薫乃は彼女の2つのドラマを見る限り演技力はいいと思う。彼女が演じる小林清風は期待できる。」

「でもこの女二役は…あの顔以外に何の見どころがあるのかわからない。」

……

彼女がまだ読み終わらないうちに、石橋林人から再び電話がかかってきた。

「竹内薫乃の最近のドラマは今放送中で人気があるし、彼女のこのツイッターの注目度はどんどん上がっている。こんな騒ぎになると、私たちの予定していた宣伝計画にはちょっと不利になるね。」

もともと、以前のブラックスワンの生配信のおかげで、彼女のネット上のイメージはまだ良かった。

竹内薫乃は最近放送中の2つの人気アイドルドラマで、演技が上手く、キャラクターイメージも非常に好感度が高く、今人気が出ている。