しばらくして、藤崎雪哉はまだ彼女が戻ってこないのを見て、直接外に探しに出た。
最後に、レストランの廊下で彼女が窓辺に寄りかかり、外の池を眺めているのを見つけた。池には鮮やかで活発な錦鯉が泳いでいた。
「どうして戻ってこないの?」
工藤みやびは目の中の物思いを隠し、振り向いて笑いながら言った。
「この魚たちがとても綺麗で、もう少し見ていたの。」
藤崎雪哉はちらりと見て、「午後の会議が終わったら買いに連れて行くよ」と言った。
ちょうど会計を済ませて彼らと合流してきた藤崎千颯は、それを聞いて文句を言った。
「無駄遣いはやめられないの?」
以前の兄は稼ぐことしか知らなかったが、今は工藤みやびのためにお金を使うことしか考えていない。
彼女が藤の花が綺麗だと言えば、庭園を一つ買ってくる。