第208章 恋愛軍師藤崎の三の若様2

夜の11時、工藤みやびはマネージャーとアシスタントを連れて西新宿の空港で、先に到着していた藤崎千明と合流した。

マネージャーの石橋林人は藤崎千明がわざわざ彼らを待っていたのを見て、彼女の後ろで小声で尋ねた。

「前回、大ボスが撮影現場を訪れた時、会った?」

工藤みやびは一瞬戸惑い、「……少し会いました」

彼が言う大ボスとは、もちろん藤崎雪哉のことだ。

「大ボスに良い印象を残せた?」石橋林人は緊張した様子で尋ねた。

「え?」工藤みやびは眉を上げた。

「我が事務所のタレントが大ボスに会える機会は本当に稀だよ。結局、良い印象は残せたの?」石橋林人は追及した。

工藤みやびは呆れて反問した。「石橋林人兄さん、あなたは今は私のキャリアを優先して、枕営業で道を外れるなって言ったじゃないですか?」