第243章 彼の兄は恋愛に、こんなに純情なの?

藤崎千明は意味深に焦りの表情を浮かべる工藤みやびを見つめ、彼の兄なら仕事の速さからして、とっくにベッドで何度も転がり回っているだろうと思っていた。

「あの...藤崎の次男坊が言うように、兄さんはその方面で...」

「彼には全然問題ないわよ!」工藤みやびは彼を睨みつけた。

「それは科学的じゃないな、問題ないなら何で寝ないんだ?」藤崎千明には理解できなかった。

なるほど、兄さんの恋愛はこんなに純情なのか。

会うたびに、手を繋いだりキスしたりするだけなのか?

「あなたみたいに浮気性じゃないのよ」工藤みやびは反論した。

彼らがベッドを共にしないのがどうしたの?あなたに何の関係があるの?

藤崎千明は口をとがらせ、もう彼女と議論するのをやめた。

しかし、彼の冷血な兄は思っていた以上に彼女のことを好きなようだ、そうでなければこんなに細やかに彼女を大事にしないだろう。