朝早く、工藤みやびは目を覚まし携帯を手に取ると、昨夜の深夜に送られてきた写真を見つけた。
写真の中の男性はカジュアルなホームウェア姿で、長い脚を組んでソファに優雅に座っていた。
いつもは冷たい眉目が珍しく柔らかさを漂わせ、美しい薄い唇には淡い笑みが浮かんでいた。
彼女はしばらく見つめていたが、マネージャーから電話がかかってきて、やっと起き上がって身支度を始めた。
車に乗ると、クマのある藤崎千明に横目で見られた。
「ほら、兄貴の写真が欲しいなら私に言えばいいじゃん。いくらでも送るよ。なんで直接彼に頼むんだよ?」
工藤みやび:「……」
なぜ二人の間のちょっとしたことが、いつも兄弟全員に知れ渡るのだろう。
藤崎千明は目を細めて休息を続けながら、「藤崎の次男坊が教えてくれたんだ」と言った。