第254章 藤崎雪哉の写真(追加更新)

石橋林人と工藤みやびは村上正弘のツイッターと、そのツイッターにあるいくつかのコメントをチェックし終えて、二人とも安堵のため息をついた。

今夜は忙しくて眠れないだろうと思っていたのに。

今となっては、今夜眠れないのは竹内薫乃と彼女のマネージャーだろう。

「よし、これで私たちの出番はないね?」

村上先生のこの一撃に加えて、三の若様の助太刀で、この二日間は竹内薫乃と彼女のチームにとって十分忙しいものになるだろう。

工藤みやび:「でも、パトロンの件はどうするの?もう釈明しなくていいの?」

石橋林人はメモ帳を閉じた。「今はみんな恥をかかされる現場を見物しに行っているよ。誰があなたのゴシップに関心を持つかい?」

竹内薫乃は彼のアーティストを踏みにじろうとしたが、結果的に村上正弘に恥をかかされた。

今やそのパトロン事件は、少しでも頭のある人なら、全くの風説に過ぎないことがわかるだろう。

彼のアーティストは本当に生まれながらの幸運児だ。彼はスーパースターを育てることになるという予感がした。

工藤みやびは何の労力もなく危機が去ったと聞いて、立ち上がって言った。

「じゃあ、私は休みに戻るわ。」

彼女は階段を上がって自分の部屋に戻ったが、ドアを開ける前に隣の藤崎千明の部屋のドアが開いた。

「ほら、兄貴が君に夕食を届けさせたよ。」

工藤みやびはそれを受け取り、藤崎千明をちらりと見た。

「ツイッターの件、ありがとう。」

藤崎千明はドアに寄りかかって立っていた。「君が僕の未来のお義姉さんだからね。」

工藤みやびはルームカードを取り出し、彼に説明する気も起きなかった。

藤崎千明:「そうだ、写真を送るよ。誰かがパトロンの件について聞いてきたら、この写真を見せればいい。誰も文句を言えなくなるさ。」

「お断りできる?」

工藤みやびはそう言って、部屋に入った。

保温弁当箱を開けると、ご飯とスープ、肉料理一品と野菜サラダがあり、栄養バランスが良く取れていた。

彼女が座って携帯を取り出すと、藤崎千明から写真が送られてきた。

何気なく開いてみると、彼女と藤崎雪哉がキスしている写真だった。あの藤の花のアーチの下で盗撮されたものだ。

削除しようと思ったが、ふと気づいた...彼女は藤崎雪哉の写真を一枚も持っていなかった。