第224章 工藤司と同じ便で

西新宿での最初の宣伝が終わった後、次の目的地は亜蘭国の首都、西居都だった。

藤崎千明は贅沢を好む人で、旅行はいつもファーストクラスだった。

工藤みやびを監視しやすくするため、当然彼女もファーストクラスに連れて行った。

飛行機がなかなか離陸しないので、工藤みやびは暇つぶしに雑誌をめくっていた。

突然、隣に座っていた藤崎千明が不機嫌な声を出した。

「くそっ、今日は出かける前に暦を見なかったのか」

彼女が声に反応して顔を上げると、工藤司と堀夏縁が数人を連れてファーストクラスに入り、残りの席に座るのが見えた。

工藤司と堀夏縁は彼女と通路を挟んだ向かいの二席に座った。

彼女は手が震え、雑誌を床に落としてしまった。

そこで初めて思い出した。彼らが乗っているこのフライトは、工藤コーポレーション傘下の航空会社の飛行機だったのだ。