合図一つで、三浦大也は藤崎千明を自分の体から引き剥がし、容赦なく388メートルの帝都タワーから突き落とした。
「あああああ!!!!」
悲惨な叫び声が、帝都タワーの空中に響き渡った。
藤崎千明は頭を下に、足を上に、自由落下で落ちていった。
驚きのあまり目を閉じることも忘れ、地面が自分に近づいてくるのを見ながら、脳みそが飛び出すほど激突するのではないかと深く恐れた。
しかし、足に結ばれたバンジーコードがこの時ピンと張り、彼は再び空中に弾き返された。
「あああああああ!!!」
また落ち、また弾かれる。
「あああああああ!!!」
また落ち、また弾かれる。
……
工藤みやびはタワーの上に立ち、下から聞こえる泣き声混じりの悲鳴を聞いていた。
横を見ると、表情一つ変えずに立っている藤崎雪哉がいた。