工藤みやび:「……」
きっと食べた上で、お前たち犬の命を残してやったんだろう。そうでなければどうなっていたか、あの二匹は怖気づいて自分たちで食べてしまったんだ。
実際、彼が彼らを懲らしめたのも無理はない。彼を何も刺激しなければ何も起こらないのに、あの二匹はわざわざ彼を挑発しようとする。
そして痛めつけられ、今度は兄に仕返しをしようとして、また兄に痛めつけられ、さらに仕返しを考える……
しかしあの二匹は、兄との戦いに終わりはなく、自滅への道をひた走り続けるつもりらしい……
「お婆さんはあなたにどれくらい滞在してほしいと?」藤崎雪哉は本を閉じて尋ねた。
「三日間、それから地方に行って番組の収録があるの」工藤みやびは正直に答えた。
藤崎お婆さんの後ろ盾があれば、このリアリティ番組はスムーズに撮影できるはずだ。