弾幕には、狂ったように「唯一のCP」ファンが溢れていた。
[わぁ、ルックスがぴったり合ってる!]
[唯一のCPの一生ファン!]
[お願い、二人が一緒になって!]
[万人の血書で二人が一緒になることを願う!]
[早く一緒になって!]
……
弾幕では、CPファンたちが狂ったように「一緒になって」とコメントを流し続け、工藤みやびはゆっくりと顔を横に向け、隣に座る顔色の悪い男性を見た。
そして、歯を食いしばって向かい側に座り、まだスマホを持っている藤崎千明を睨みつけた。
彼は本当に命が長すぎると思っているのか。もともとこの番組の収録に行くことを彼の兄は大いに不満だったのに。
今日放送されるのを、彼に見せるつもりはなかったのに、彼はわざわざ家に来て見せたのだ。
彼が自殺小分隊の隊長だということは知っていたが、こんなに積極的に死にに行く必要はないだろう?
藤崎千明は実の兄の目から殺気が生まれるのを感じ、気まずそうに自分のスマホを取り戻し、動画の弾幕を見て、瞬時に気分が悪くなった。
やばい、やばい、弾幕を消すのを忘れていた!
兄はいったいどれだけ見てしまったのか?!
「あの...会社にちょっと用事があったのを思い出した、先に行くよ。」
言い終わると、箸を置く余裕もなく、足に油を塗ったかのように逃げ出した。
これ以上いたら、その場で横死するかもしれないと感じた。
CPファンは人を殺すな、彼と義姉さんが一緒になるようなコメントを流しまくって、兄に口封じのために殺されるところだった。
藤崎千明が逃げ出すと、アパートは針が落ちる音も聞こえるほど静かになった。
工藤みやびは唇を噛み、顔色の暗い男性を指で突き、柔らかく甘い声で尋ねた。
「怒ってる?」
藤崎雪哉は何も言わず、スマホを取り出して電話をかけ始めた。
「今夜放送されるリアリティショー...」
工藤みやびはそれを聞くと、すぐに電話を奪って切った。
「何をしているの?」
たった数条の弾幕のために、その番組の放送を中止させて、放送事故を起こすつもりなの?
「ふん、万人の血書で君たちが一緒になることを願うなんて、こんな番組をまだ放送するつもりか?」
「あれはただのCPの遊びよ、真に受けないで。私が本当に彼と一緒になるわけないじゃない」工藤みやびは説明した。