第296章 知能こそが最大の弱点

池田輝は二人の呆然とした表情を見て、彼らの悪だくみに乗ったことを後悔していた。

藤崎雪哉打倒小分隊を結成したと言っても、結成してからこれだけの年月が経ち、彼らの行動の成功率はゼロどころか。

それどころか、藤崎雪哉に何度も痛めつけられてきた。

「俺はもう脱退したほうがいいかな」

彼はようやく理解した。この数年間、藤崎雪哉に勝てなかったのは、この二人の知能が最大の弱点だったからだ。

最初の目標は兄を倒すことだったのに、藤崎雪哉にちょっと挑発されただけで、二人はお互いに火を向け始め、自分たちが何をしようとしていたのかを完全に忘れてしまう。

「このバカ池田、入隊式で毒誓を立てただろう。一度小分隊に入ったら、生死を共にする一心同体だ。脱退を考える者は死罪だ」

「お前らと同じチームにいると、知能が影響を受けそうで怖いよ」池田輝は二人の傷を包帯で巻きながら、冷ややかに言った。