第300章 工藤みやびを見つけたら、どうするつもり？

堀夏縁の誕生日に投稿されたツイッターは、三日間もトレンドに載り続け、各エンターテイメントニュースの見出しを独占した。

誰もが彼女を人生の勝ち組、天の寵児と言った。

ムンバイ型の心臓病で余命わずかだったのに、彼女に蘇生をもたらす心臓を手に入れた。

若くして芸能界で誰も及ばない影后の地位を築き、さらに亜蘭国の超一流名門貴族である工藤司の愛情と求婚を手に入れた。

彼女の人生は、まさに伝説だった。

工藤みやびはそれ以上関心を持たず、毎日の仕事と、間もなく撮影が始まる映画『追跡の眼』の準備に忙しかった。

しかし、本間夢がそのニュースを知った後、危険を冒してでも連絡を取りたいと要求してきた。

工藤みやびは映画の衣装合わせの撮影を終え、約束の時間に本間夢に電話をかけた。

今回、本間夢は前回彼女が言ったことを少し信じ始めているようだった。

「工藤司は本当に堀夏縁にプロポーズしたの？」

通信環境が悪く、堀夏縁についてのニュースを見たのは数日後だった。

しかし、彼女が披露したウェディングドレスが工藤みやびのものだと知っていた。以前、デザイン画を持って彼らに見せたことがあったからだ。

そして、将来自分がそのドレスを着て嫁ぐと言っていた。

今や彼女とマーティン・グリーンが一緒に心を込めてデザインした婚礼衣装が、工藤司から堀夏縁へのプレゼントになっていた。

前回の暗殺未遂事件で工藤司に連れ戻されて以来、彼女は姿を見せていなかった。

ムンバイ型血液型の堀夏縁は、その後間もなく、ムンバイ型の心臓を手に入れて生き延びた。

だから、自分はすでに死んでいるという彼女の言い分は荒唐無稽だったが、今では信じざるを得なくなっていた。

工藤みやびは風で乱れた髪を整え、遠い地平線を見つめながら冷たく言った。

「工藤家のことは、もう私には関係ないわ。」

本間夢はしばらく黙考した後、強気に言った。

「じゃあ、姉さんが代わりに彼女を殺してあげようか？」

「私が自分で彼女と決着をつける。あなたは手を出さないで。」工藤みやびは本間夢の提案を断った。

ただ彼女を殺すだけでは、生ぬるすぎる。

彼女に一つずつ全てを失わせ、何も残らなくしてやる。

今の工藤司は彼女をかなり守っているようだから、本間夢が手を出せば災いを招くだけだ。