第333章 本間夢との秘密会見

三日後、石橋林人は広告契約のために帝都に戻った。

彼女は午後に当日の撮影を終え、メイクを落として服を着替え、アシスタントと一緒に映画村の西門から出てホテルに戻ろうとしていた。

途中で何人かのファンからサインと写真を求められ、彼女は快く応じた。

そして、西門の休憩用ベンチに、青い短髪の女性が足を組んで座り、タバコを吸いながらキョロキョロと周りを見回し、誰かを待っているようだった。

容姿は変わっていたが、その座り方と目つきは、彼女がよく知っているものだった。

「岡崎さん、私のアクセサリーがメイクルームに置き忘れたみたい。取りに戻ってくれる?」

アシスタントの岡崎は、確かに彼女が朝来た時にイヤリングをしていたことを思い出した。それは広告契約しているブランドのものだった。