第355章 私の出番だ

しかし、実際に暴露したのは藤崎千明ではなかった。

それは、工藤みやびが藤崎千明のツイッターアカウントを借りて投稿したものだった。

彼女がこの動画を投稿すると、藤崎千明は会社のタレント管理グループチャットで、会社のすべてのタレントに一斉に拡散するよう指示し、誰が拡散しなければ干すと脅した。

そのため、30分もしないうちに、そのツイートはツイッター上で爆発的に広まった。

「三の若様、出発しましょう。新アルバムのプロモーション活動が始まります」

藤崎千明はサングラスをかけ、意気揚々と会社を出て、プロモーション活動の会場へ向かう準備をした。

このイベントは昨夜急遽決まったもので、馴染みのあるメディアに通知していた。

しかし、その目的は新アルバムのプロモーションではなく、メディアの前で堀夏縁をさらに追い詰めることだった。

彼は車に乗り込むと、すぐに天水ヴィラにいる工藤みやびに電話をかけた。

「お義姉さん、あなたは昨日の録音から、トップ女優の堀さんを打ち負かす準備をしていたんですね」

なぜなら、この動画は彼女が当時石橋林人に録画するよう提案したものだったから。

彼女は自分の吹き替えが堀夏縁を圧倒することを知っていたし、堀夏縁が彼女の二号声を買い取ることも確信していた。

彼女は工藤司の5000万の小切手を受け取った。相手は彼女を小さな女優と思い、金を受け取った後に脅されれば、きっともう文句は言わないだろうと考えていた。

しかし、彼らは見誤っていた。この小娘は彼女の兄の影響でますます狡猾になっていた。

一方では金を受け取って彼らの警戒心を解き、そして結果が発表され、ネット上で堀女優さんが絶賛されているときに。

電光石火の勢いで、金剛雷撃掌でトップ女優の堀さんを不意打ちした。

工藤みやびはヴィラで、書類を見ている藤崎雪哉の体にだらしなく寄りかかっていた。

「チャンスは貴重よ。あの人が顔を差し出してきたんだから、打たないわけにはいかないでしょ」

本来、彼女は今日堀夏縁と対決する計画はなかった。

ただ、彼女が『命果てぬ夢2』は彼女への感謝と敬意を表すためだと宣言したことが、本当に気分が悪くなるほど不快だった。

「昨夜あなたの指示通りに準備したけど、あなたが兄さんから狡猾さを学んだことに気づいたよ」と藤崎千明は言った。