第356章 このスキャンダル……もう抑えられない(更新追加で投票お願い)

工藤司は工藤家の事業を取り仕切っており、どんな荒波も見てきたため、当然このような小さなことで動揺することはなかった。

「今からでもこれを抑え込む方法はあるか?」

黒田志雄は表情を引き締めて首を振った。「もう抑えられません。1時間もしないうちに日本のSNSで爆発的に広がっています。」

堀夏縁はそこに座り、怒りで体中が震え、顔色も青白く変わっていた。

「荒木雅はお金を受け取ったのに、どうして約束を守らないの?」

「荒木雅ではなく、藤崎家の藤崎千明が暴露したんです。」

黒田志雄はそう言いながら、スマホで藤崎千明のツイッターページを開き、工藤司と堀夏縁の前に差し出した。

堀夏縁は動画の中の少女を見て、声を当てる時の表情と目つきに、全身が震えた。

あの目つきと表情……

このシーンを撮影した時、工藤みやびが彼女に何度か見本を示したが、まさにこのような目つきと表情だった。

今、似た声も加わって。

まるで荒木雅が工藤みやびの幽霊に取り憑かれたかのようで、背筋が凍りついた。

工藤司は動画の中の人物を見て、瞳の色が深く暗く、激しい感情が渦巻いていた。

黒田志雄は部下からの報告を聞いた後、部屋のテレビをつけた。

テレビでは藤崎千明の新アルバム宣伝イベントが、記者会見に変わっていた。

ネット上で先ほど起きた驚くべき展開のニュースにより、記者たちは次々と二号声に関する質問を投げかけていた。

記者:「三の若様、あなたのツイッターで言及された5000万円というのは、誰かがあなたの会社の所属タレント荒木雅の声を買い取ったということですか?」

「工藤司と堀女優さんが5000万円を出しましたが、私はそれを寄付しました。」藤崎千明は軽蔑したような表情で言った。

何か遠回しに言うなんてことはなかった。

藤崎千明は直接名指しで批判し、少しも情けをかけなかった。

記者:「荒木雅さんはどうされていますか?この件について彼女からのコメントはありますか?」

「彼らは買収と脅迫を行い、もし彼女が声を上げれば日本から消されると言われて、彼女は怖くて今は部屋から出られないんですよ。」藤崎千明はカメラに向かって鼻を鳴らし、挑発するように言った。

「今は俺が言ってるんだ。俺を消せるものなら試してみろよ?」

……

工藤司は鋭い目でテレビのインタビューを見つめ、冷たく言った。