第359章 工藤司が彼女との面会を約束する

ソファーの上で、双子の兄弟が命がけで絞め合っていた。

藤崎千明が藤崎千颯の首を絞め、藤崎千颯は藤崎千明の髪と耳を引っ張っていた。

「藤崎の三の若様、お前は実の兄を殺そうとしているのか!」

「お前のどこが実の兄だ、死ね、この陰険な奴!」

「てめぇ、この前俺のお菓子をどれだけ盗み食いしたんだ、吐き出せ!」

「お前こそ、前に俺になりすまして女の子に近づいて、俺に噂を立てたじゃないか、まだ清算してないぞ?」

……

工藤みやびは眉をひそめ、ソファーから絡み合いながらカーペットに転がった二人を見つめていた。

この二人は……前世では敵同士だったのだろう。

藤崎雪哉が階段を降りて彼女の側に来ると、喧嘩をしている二人の弟を見て、まったく動じる様子もなかった。

「行こう」

床で喧嘩中の二人は驚いて振り向いた。「どこに行くんだ?」