長い時間が経った後、工藤みやびは汗ばんだ体で彼の腕の中に収まり、赤らんだ頬はまだ冷めず、目元は色っぽく魅惑的だった。
「私が恋しいなんて言って、結局私と寝たいだけじゃない」
藤崎雪哉は軽く笑い、彼女の額にキスをした。
「その二つは矛盾しないよ。でも前者の方が大きいかな」
彼女が恋しいからこそ、彼女と絡み合いたいのだ。
特にセックスは、経験したことがなければそこまで欲しいとは思わないが、一度味わうと中毒になる。
工藤みやびは彼を横目で見て、口角に甘い笑みを浮かべた。
「明日帰るの?」
藤崎雪哉は眉を少し上げた。「ここに残って欲しい?」
「別に」工藤みやびは言った。
日中の撮影で十分疲れているのに、彼がここにいると寝るのもこんなに疲れる。
「朝食を一緒に食べてから帰るよ」藤崎雪哉は布団を直し、低い声で言った。「さあ、寝よう」
まだ物足りなさはあったが、彼女は最近撮影で確かに疲れているので、少し欲求を満たすだけで十分だった。
結局、これからの日々はまだ長いのだから、一朝一夕を急ぐ必要はない。
「おやすみ」
工藤みやびは目を閉じ、すぐに深い眠りに落ちた。
藤崎雪哉は携帯の振動に気づき、バスローブを羽織って立ち上がり、携帯を手に取って外のリビングに出てから電話に出た。
「何事だ?」
電話をかけてきたのは帝都で残業中の藤崎千颯で、彼の不機嫌な声を聞いて何か良いところを邪魔したのかと思った。
「あの...三浦大也が言うには、本間家の人と工藤みやびが、あの日以来姿を消して、何の痕跡も見つからないらしい」
藤崎雪哉は眉をひそめ、しばらく考えてから言った。
「彼らはドランス家族に訓練された人間だ。警戒心が高い。帝都だけでなく、日本の他の地域にも注意を払え」
一度姿を見せた後、十数日間何の情報も得られないのは確かに怪しい。
「それに...」藤崎千颯はため息をついた。
「それに何だ?」
「それにカーマン・ドランスも私たちが工藤みやびを追っていることに気づいたようで、こっそり入国して本間家の人々を探している」と藤崎千颯は言った。
工藤司の部下は日本での事情に介入できないので、ドランス家族が直接人を派遣したのだ。
「彼らの動きに注意しろ」藤崎雪哉は重々しく言った。