早朝、工藤みやびは携帯の目覚ましで起こされた。
藤崎雪哉はすでに身支度を整え、少し離れたソファに座って、まだベッドにいる彼女を見つめ、彼女が目を覚まし起き上がるのを見て近づいてきた。
「朝食はもう届いているよ。先に顔を洗って歯を磨く?」
工藤みやびは眠そうな目で頷き、のろのろとベッドから這い出した。
藤崎雪哉は彼女をそのまま抱き上げ、バスルームへ連れて行った。
「手伝おうか?」
「いいわ、別に不自由じゃないから」工藤みやびは自分で歯を磨き始めた。
藤崎雪哉は傍らで待ちながら、からかうように笑って尋ねた。
「今日は足も腰も痛くない?」
工藤みやびは彼を睨みつけ、黙々と歯磨きを続けた。
藤崎雪哉は手を伸ばして彼女の垂れ下がった髪を整えながら言った。
「帰ったら処理しなければならないことがあるから、しばらくしてからまた来ることになるかもしれない」