第344章 堀夏縁と同じ舞台で競演

堀夏縁は大画面に表示された名前を見て、顔色が一瞬変わった。

しかし、それでも微笑みながらマイクを手に取り、大画面に表示された名前を呼んだ。

「荒木雅さん、どうぞステージへ」

工藤みやびは大画面に自分の名前が表示されるのを見て一瞬驚いた。まさか堀夏縁と同じステージに立つことになるとは思ってもみなかった。

彼女はあの気持ち悪い顔に近距離で向き合いたくなかった。

藤崎千明は同情的な目で彼女を見た。「今日は運が悪いね」

言ってから、何かを思い出したように急いで自分の口を叩いた。

「余計なこと言っちゃった」

うーん、もし彼女が後で彼の兄と会って、情熱的になったりしたら、それは兄を侮辱したことになるじゃないか。

工藤みやびは気が進まなかったが、それでもスポットライトが当たると同時に、微笑みながら席を立ってステージへ向かった。