第369章 ベッドの上で会いたくない

藤崎雪哉は彼女の反対を全く気にせず、内線で私設執事に夜食を部屋に届けるよう指示した。

今日は二食ともロケ弁で済ませていたので、夜食が届くと、工藤みやびは彼を追い出すことも忘れてしまった。

藤崎雪哉はバスルームに行き、浴槽にお湯を張ると、戻ってきて仕事を続けながら、夜食を食べる少女を観察していた。

彼女が食べ終わると、彼は声をかけた。

「お風呂の準備ができたよ、入っておいで」

工藤みやびはパジャマを手に取り、バスルームに入ると、考えた末にドアに鍵をかけてから服を脱いだ。

藤崎雪哉は鍵をかける音を聞いて、可笑しそうに口角を上げた。そこまで警戒する必要があるのだろうか?

工藤みやびは風呂から出ると、彼のデスクの前に立ち、真剣な表情で言った。

「あなたがここにいると私の仕事の邪魔になるし、あなた自身の仕事にも影響するわ。帰って!」