二枚の写真を別々に見ると、確かに何も変わったところはない。
しかし、並べて置くと、あの出っ歯でそばかすだらけの顔の女の子が、どこか似ているように思えてくる……彼のお義姉さんに?
「君は……君は言っているのか……」
藤崎千颯は信じられず、画面上の二枚の写真を指さしながら行ったり来たりした。
三浦大也はさらに二枚の写真を出させた。一枚は荒木雅があるヘルスケアクラブに入る写真。
もう一枚は、出っ歯でそばかすだらけの女性がそのヘルスケアクラブから出てくる写真だった。
「数日前、みやび様はこのヘルスケアクラブに入り、この女性は彼女が入ってから30分後に出てきました。」
藤崎千颯は写真を指す手が震えた。「つまり君は言っているのか……この女性は私のお義姉さんが変装したものだと?」
「似た二人の人物が、前後して同じ場所に現れるなら、同一人物である可能性は高いです。」三浦大也は言った。
今のところ、これは彼が手がかりから導き出した推測に過ぎず、しかも社長の感情問題に関わることだ。
彼は部外者として、あまり多くを語るべきではなかった。
藤崎千颯は少し慌て、頭も少し混乱していた。
「君が言うにはこれは数日前のことだ。つまり、私のお義姉さんは、兄が不在の間に、別人に変装して浮気相手の男に会いに行ったということか?」
三浦大也は「浮気相手」という言葉を聞いて、口角が震えた。
「もしこれが荒木さんなら、彼女は確かに身元が怪しい男性に会いに行きました。」
藤崎千颯は取り乱し、パソコンの画面上の写真を指さしながら、三浦大也に向かって尋ねた。
「なぜだ?」
「兄さんはあんなにハンサムなのに、なぜ彼女は浮気相手に会いに行くんだ?」
……
三浦大也は彼の怒りのポイントに少し困惑した。「感情的な問題で会ったわけではないかもしれません。」
「何が感情的な問題じゃないんだ、男が彼女を抱きしめているのを見ろよ。この写真は抱き合っているだけで、撮られていない場面ではキスしているかもしれないじゃないか。」
藤崎千颯は怒りで眠気がすっかり消え、部屋の中を行ったり来たりと暴れ回った。
三浦大也は彼を呼んだことを少し後悔した。まだ証拠もない事に対して、彼は自分で過度に想像しすぎではないだろうか?
「それで……社長に伝えるべきでしょうか?」