長い間、主寝室から艶めかしい音が絶えなかった。
工藤みやびは全身が潮紅に染まり、細かい汗が滲み、下のシーツを掴んで身体を弓なりに反らせた。
男の首筋に顔を埋め、唇を噛んで鳴き声を漏らした。
藤崎雪哉は顔を下げ、花びらのように赤い唇を優しくキスしたが、求める行為は少しも優しくなかった。
……
久しぶりの愛の営みは、思う存分に終わった。
工藤みやびは息が乱れ、彼を抱きしめる男の体に一発パンチを食らわせた。
「これがあなたの言う『できるだけ早く』?」
藤崎雪哉は汗を流し、汗で濡れた頬にキスをした。
「シャワーを浴びて、空港に送るよ。」
工藤みやびは彼に自分をシャワーに連れて行くことを断固として拒否し、彼の腕から抜け出して自分でコートを羽織り、服を拾い集めた。
「あなた時間がないんじゃないの?本当に時間を節約しなくていいの?」