第463章 荒木雅が行方不明になった2

その間、藤崎グループ本社では会議が行われていた。

岡崎謙が最初に風蘭国でのテロ攻撃のニュースを発見し、すぐに会議室のドアをノックした。

「藤崎社長、風蘭国映画祭の会場付近で...テロ事件が発生しました。」

藤崎雪哉の表情は一瞬にして凍りついたように厳しくなり、テーブルの上の携帯電話を手に取って立ち上がると、外に向かいながら電話をかけ始めた。

まだ終わっていない会議をどうするか、指示することさえ忘れていた。

しかし、彼がかけた電話からは冷たい機械的な声だけが返ってきた。

「お客様のおかけになった電話は電源が入っておりません。」

続けて二回かけても、依然として電源が切れたままだった。

一方、藤崎千明から電話がかかってきたが、ずっと通話中だった。

そのため、藤崎千颯に電話をかけるしかなかった。

藤崎千颯は岡崎謙の報告を聞いて、まだその場に立ち尽くしたままだった。

風蘭国映画祭の会場付近、それはお義姉さんもいる場所ではないか?

そう考えていると、携帯電話に藤崎千明からの着信が表示された。

彼は電話に出ながら、兄を追いかけて外に出た。

「何だ、早く言ってくれ、忙しいんだ。」

「兄貴に電話が繋がらないんだ。お義姉さんのホテルで銃撃と爆発があって、今、彼女のマネージャーの石橋林人がまだ彼女を見つけられていないんだ...」と藤崎千明は言った。

藤崎千颯の表情は一瞬で暗くなった。「どうして見つからないんだ?」

彼女は兄の心の支えなのに、見つからないなんて命取りじゃないか?

藤崎グループの幹部たちは顔を見合わせた。風蘭国でのテロ攻撃は重大なニュースだが。

しかし、これが藤崎家とどんな関係があるのだろうか。

藤崎社長はそれを聞いた途端に表情が変わり、会議も続けず、この会議をどうするかについても一言も言わなかった。

続いて、次男が電話を受けると、彼の表情も変わった。

まるで、天が崩れ落ちるような恐ろしい状況のようだった。

藤崎千颯は藤崎千明との電話を続けながら、急いでエレベーターに乗り込み、兄の前例のない重い表情を見て言葉に詰まった。

しかし、この知らせを伝えないわけにはいかなかった。