第461章 風蘭国のテロ

彼らが風蘭国に到着したのは、もう正午近くだった。

三人はホテルに着いて数時間休み、午後に工藤みやびはモーフィル老人を訪ねた。

モーフィルは明確に参加の意思を示さなかったが、彼女が映画のあらすじを話すと、撮影が始まる時に日本に見に来ることに興味を示した。

これは彼女にとって、すでに半分成功したも同然だった。

彼女がモーフィルと喫茶店を出る時、入ってきた工藤司と堀夏縁と思いがけず出くわした。

工藤司は彼女を見ても、前回のMGショーの楽屋裏のように取り乱すことはなかった。

ただ礼儀正しく軽く頷いただけで、亜蘭国の貴族家系の優雅な紳士ぶりを存分に見せていた。

堀夏縁は彼女を見て、笑顔はやや冷たかった。

「荒木さん、映画祭に参加するんですか?」

この荒木雅は、わずか二本の映画で、すでに日本の一線級の映画俳優の仲間入りを果たしていた。