日本、帝都。
早朝、まだ夢の中にいた工藤みやびは絡みつくようなキスで目を覚まし、藤崎雪哉の胸に身を寄せた。
「会社に行くの?」
眠たげな声は慵懶で色っぽく、出勤の準備をしていた男の心を揺さぶった。
「もう少し時間がある」
薄い布団の中で、片手で彼女を抱きしめながら、もう片方の手は慣れた様子で彼女の敏感な部分を愛撫した。
工藤みやびは男の意図に気づき、腹立たしげに彼の手を掴んだ。
「仕事じゃないの?」
「急がなくても、まだ時間はある」藤崎雪哉は軽く笑い、頭を下げてキスをした。
言外の意味は、出勤前にまだ少し時間があるから別のことができるということだ。
工藤みやびはキスされるうちに次第に力が抜け、昨夜終わった後に服を着ずに裸のままでいた体は、男の思うがままにされるのをより容易にした。