第517章 私の娘の心臓……なぜあなたに与えるの?

カーマン・ドランスは声を聞いてゆっくりとマシューの方を見た。「何だって?」

マシューはクリスタルの棺の中の人を一目見て、胸が痛むように彼に言った。

「今、彼女を起こそうとしたとき、心臓のところに縫合の跡があったんだ。糸を切って見てみたら、彼女の心臓が...なくなっていた。」

カーマン・ドランスは信じられず、自ら近づいて確かめた。

その瞬間、彼の体がぐらつき、杖で支えていなければ、立っていられなかっただろう。

「工藤司、彼女の心臓は...一体どこへ行ったんだ?」

なるほど、工藤家が彼らに彼女を連れて行かせないようにしていたのは、彼女の心臓がすでに摘出されていることを発見されるのを恐れていたからだろう。

工藤司と工藤奥様が話す前に、堀夏縁はドスンとカーマン・ドランスの前にひざまずき、泣きじゃくりながら言った。