第490章 私は藤崎おじさん一人だけが好き

海産物輸送のトラックは、彼女たちとバイクを乗せて市内中心部から離れていった。

本間夢は道中ずっとタバコが吸いたくて仕方なく、吸えないのでタバコを持って嗅ぎ続けて気を紛らわせていた。

「私たちはどう進むつもりなの?」工藤みやびは心配そうに尋ねた。

二人はずっとトラックの中にいて、外の状況がまったくわからなかった。

「師匠が人を連れて工藤家の人々の追跡の注意をそらしてくれる。私たちはまず海辺の小さな港に行って船に乗り、彼らはすぐに後から来る。」

工藤みやびはうなずいた。なるほど、こんなに長く移動しているのに、まだ何のトラブルにも遭遇していないわけだ。

思うに工藤家の人々の追跡の重点は、まだバイクに置かれているのだろう。

本間壮佑も人を連れて、彼女と本間夢に扮して市内で彼らを引き回している。