第551章 藤崎千颯たちに見合い相手を探している2

あいにく、藤崎千颯はちょうど書類を持って入ろうとしていて、ドアの前で兄のこの発言を聞いてしまった。

そして、怒りで胸を叩き、黙って自分のオフィスに戻った。

彼は言った、最近兄が彼の結婚問題をとても気にかけているのは、実は自分が子供を作りたくないから、彼と藤崎千明を先に結婚させて子供を産ませ、盾にしようとしているのだと。

彼はすぐに同じく被害を受けることになる藤崎千明に電話をかけ、戦線を統一する必要があると感じた。

藤崎千明は番組の収録を終えたばかりで、電話を受けながら車に乗り込み、帰宅する準備をしていた。

「藤崎の次男坊、お前仕事中にこんなにサボってるの、兄貴は知ってるのか？」

藤崎千颯：「俺たちがお見合いすることになったの、知ってるか？」

藤崎千明：「知ってるよ、おばあちゃんが昼に言ってたよ、ダンスを習ってる子と会うことになってるって」

藤崎千颯：「お前、会うつもりなのか？！」

藤崎千明：「会うよ、写真を見たけど可愛いじゃないか」

藤崎千颯は歯を食いしばって言った。

「このお見合い、おばあちゃんが手配したんじゃなくて、兄貴が俺たちに罠を仕掛けてるんだ」

藤崎千明は全く気にしていなかった、「そんな罠なら、いくつあっても構わないよ、喜んで飛び込むさ」

「兄貴は両親から子供を産めと急かされてて、自分は産みたくないから、俺たちに結婚して子供を産ませようとしてるんだ。お前はバカだからいいことだと思ってるのか？」藤崎千颯は彼が本当にお見合いに行くつもりだと聞いて、激怒して叫んだ。

「……」藤崎千明は電話の向こうで数秒間呆然としてから、尋ねた、「本当に？」

「荒木雅が会社に来たんだ、俺が兄貴のオフィスに書類を届けに行ったとき、ドアの前で彼が言うのを直接聞いたんだ」藤崎千颯は怒りに燃えていた。

藤崎千明はまだ比較的楽観的だった、「お見合いならお見合いでいいじゃないか、お見合いしたからって必ず結婚するわけじゃないだろ」

「もし母さんの方から兄貴を追い詰めたら、きっとお前を縛り上げてでも結婚させて、先に子供を産ませて母さんに遊ばせるぞ」藤崎千颯は結果を分析した。

藤崎千明：「確かに……兄貴ならやりかねないな」

藤崎千颯はオフィスのドアをしっかりと閉め、声を低くして言った。

「だから、俺たちは反抗する方法を考えないといけない」