二人が話している最中、部屋のドアが外から開き、金髪で体格の良い外国人男性が部屋に入ってきた。
「紗世ちゃん、いけない子だね、また抜け出して...」
本間夢は腰の後ろに差していた銃を取り出し、弾をチャンバーに装填して来訪者に向けた。
「くそっ、もう一度そんな気持ち悪い呼び方したら、ぶち殺すぞ」
「……」工藤みやびは本間夢を見て、それから部屋に飛び込んできた金髪の男を見た。
おそらく、これが彼女の言っていた、毎日彼女を口説こうとする外国人だろう。
紗世ちゃん?
確か藤崎雪哉から聞いたことがある、本間夢の本名は河村紗世で、本間夢という名前は本間家に来てから変えたものだと。
金髪の男は両手を挙げて降参のポーズをとり、本間夢と一緒に座っている工藤みやびに気づくと、すぐに友好的に挨拶した。