工藤みやびは少し黙った後、唇を上げて笑いながら言った。
「一度危険な目に遭った時、彼らが私を助けてくれたの。そんな優しい心を持つ人たちが、あんなことをするとは思えないわ」
藤崎雪哉は手を伸ばして彼女の頭を撫でた。「調査は人に頼んでおいた。心配しないで」
あの二人は彼女が危険に遭った時、真っ先に亜蘭国へ駆けつけて助けてくれた。彼女のあの二人に対する親しみと信頼は並々ならぬものだった。
この親しさは、単なる知り合いというレベルではなく、長年の親友同士のような親しさだった。
しかし、彼女はずっと日本で暮らしてきたのに、あの二人はほとんどの時間を亜蘭国で過ごしている。どうして彼らがそんなに親しいのだろう?
工藤みやびは彼が本間壮佑たちとの関係についてさらに追及してくると思い、どう答えようかと必死に考えていたが、彼は立ち上がってデスクに戻り、一束の書類を彼女に渡した。
「これはメリンから送られてきたデザイン案だ。一つ選んで彼に確認してほしい」
工藤みやびは受け取ってページをめくると、すべてウェディングドレスのデザイン画だった。
どのデザインも素晴らしく美しかった。
「私にどれを着てほしい?」
「自分の好きなものを選びなさい」と藤崎雪哉は言った。
工藤みやびはページをめくりながら、困った表情で言った。
「でも、どれも素敵で、全部好きなんだけど」
藤崎雪哉は少し考えて、「じゃあ、全部にする?」
「結婚式で着られるのは一着だけよ。全部なんて何のため?」
工藤みやびは頭を下げて注意深く見て、どのデザインが一番良いか決めようとした。
「着たいなら、式を何回か開けばいい」と藤崎雪哉は言った。
工藤みやびは吹き出した。「一回で十分よ」
ドレスを何着も着るために結婚式を何回も開くなんて、そんなやり方もあるのか。
藤崎雪哉:「じゃあ、好きなものを選んで」
工藤みやびは悩みながらしばらくページをめくり、彼に見せながら言った。
「これはどう?」
藤崎雪哉はちらりと見て、眉をひそめた。
「だめだ」
胸元が低すぎて、着るとセクシーすぎる。
工藤みやびは口をとがらせ、また別のページをめくった。
「これは?これならいいでしょ?」
藤崎雪哉は一目見て、「別のにして」
背中の露出が多すぎる。背中のディープVが腰まで開いている。