第546章 彼女たちに好きにさせる

工藤みやびは車の後部の衝突箇所を一瞥し、彼女たちと無駄話をする気にもならなかった。

「私たちの車はすでに停車していたのに、あなたたちが衝突してきたのよ。責任はあなた方にあるわ…」

「荒木雅、ここはあなたが来るべき場所じゃないでしょう?」

丸山みやこは衝突の責任を無視して、彼女を見るなり詰問した。

以前、彼女がここで藤崎奥様と藤崎旦那様を怒らせたため、ここから追い出され、二度と本邸に足を踏み入れることを禁じられたのだ。

もしかして、藤崎お婆様が今彼女を連れ戻したのだろうか?

「ここに私が来るべきかどうかは、あなたたちが決めることじゃないでしょう?」工藤みやびは冷ややかに笑った。

ここに彼女が来るべきでないなら、彼女たちが来るべきなのか?

石橋林人は丸山家の母娘を見て、呆れて眉を上げた。