第562章 さようなら、ドランスさん

カーマン・ドランスは彼女をしばらく見つめた後、言った。

「藤崎雪哉がそう言えと教えたのか?」

工藤みやびはため息をついた。彼女と藤崎雪哉の関係のせいで、彼女の言うことは全て藤崎家のために意図的に離間を図っているだけだと思われるだろう。

「でも、これは確かに調査すべき疑問点です。」

彼は疑い深く頑固な人物で、周囲の全ての人の動機を疑い、自分が得た結果だけを信じていた。

「否定できないな、確かにそうだ」カーマン・ドランスは言った。

工藤みやびは唇を引き締めてほっとした。それなら彼は堀家の方を調査するだろう。

簡単に調べられるわけではないだろうが、彼が堀家の調査を始めれば、堀夏縁たちは後ろめたさから何かしら綻びを見せるはずだ。

カーマン・ドランスは深い表情で彼女を見つめ、「君と本間壮佑は...いつ知り合ったんだ?」