第572章 彼らを一路追ってきた工藤司

「伏せろ！」

三浦星安は工藤みやびの頭を押さえつけ、銃を抜いて弾を込め、警戒しながら前に停車した二台のハマーを見つめた。

前の車の運転手が降りてきて、彼らの車に近づいて尋ねた。

「車の調子はどうですか？何か手伝えることはありますか？」

「車が故障しました。もし可能であれば、レスキューに連絡してもらえませんか」とガイドは言った。

その運転手は自分の車に戻り、仲間と相談した後、戻ってきて言った。

「この道はあまり安全ではありません。私たちの車にはまだ空きがありますから、乗って一緒に離れませんか？」

三浦星安は片手に銃を持ち、もう片方の手で工藤みやびの頭を押さえながら、車外の人に向かって言った。

「結構です。救援を待ちます」

ガイドはそれを聞いて、振り返って彼女を見て言った。

「私たちの食料と水は、救援が来るまで持ちませんよ」

「行きたければ行けばいい。俺たちは行かない」と三浦星安は断固として言った。

あの二台の車は最近、彼らの周りによく現れていて、とても怪しかった。

一度彼らの車に乗ってしまったら、何が起こるか分からない。

「星安、もし相手が本当に何かしようとしているなら、今この車を囲まれたら、私たちはどこにも逃げられないじゃない？」工藤みやびは後部座席に伏せさせられ、頭も上げられなかった。

「それでも彼らの車には乗らない」と三浦星安は言った。

工藤みやびは首が少し痛くなってきた。「彼らの車に乗れとは言ってないわ。ただ座らせてくれない？」

三浦星安は前の二台の車を見て、彼女の頭を押さえていた手を離した。

「二日以内に、彼らは来るはずだ」

大ボスの性格からして、絶対に三日も待てないだろう。

その運転手はまた水と食料の入った袋を持ってきて、友好的に言った。

「私たちは前で少し休憩します。何か必要なことがあれば、いつでも来てください」

しかし、三浦星安は安全のために、相手が提供した水と食料を断った。

彼らの安全を脅かすものではなかったが、念のため、彼らが与えたものは食べられなかった。

工藤みやびは車の中で数時間仮眠を取り、目が覚めたときはちょうど真夜中で、無人地帯の上空には星が満天に輝いていた。

彼女は車の窓に寄りかかってしばらく見ていた後、外部カメラマンのカメラを取り、車を降りて車の屋根に登り、星空の写真を数枚撮った。