第598章 藤崎雪哉:彼らの小分隊、楽しかった?

工藤みやびは藤崎雪哉の同意を得て、階段を上がって喫茶店で藤崎千明と伊藤冬芽に会いに行った。

自分が知ったばかりのことを思い出し、思わず自分の兄に騙されているのに全く知らない藤崎千明を同情の目で見た。

伊藤冬芽がこのように何度も彼を拒絶し、彼を恥ずかしめ挫折させるのは、明らかに以前に何か未解決の恨みがあるのだろう。

「あなたたちの新しい映画はいつ撮影開始するの?」伊藤冬芽は好奇心を持って尋ねた。

彼が戻ってきたのだから、当然彼の行方を気にかけている。

また、彼と荒木雅が無数のCPファンを持っていることも知っている。

ただ、彼らの真の関係は外部の誰も知らない。

彼らはよく一緒に出入りするが、その振る舞いはカップルのように親密ではない。

「来月初め」工藤みやびは言った。

伊藤冬芽は二人をじっと観察し続け、少し気分が落ち込んでいた。