第624章 藤崎の次男坊、私たちも手をつなごう(加更)

藤崎お婆様は藤崎雪哉が出てきたのを見て、気を利かせて自分から家に戻った。

藤崎雪哉はベンチに座り、彼女に横目を送った。

「お婆様は何を言ったの?」

工藤みやびは軽く笑い、気軽な様子で言った。

「もう工藤家とドランス家の事に関わらないようにと言われたわ。」

藤崎雪哉は手を伸ばして彼女の手を握り、優しい声で言った。

「お婆様はあの年に多くの家族を失い、一人で藤崎家を支えながら多くの苦労を味わった。当時、お婆様と父は工藤家を完全に打ち倒すチャンスがあったのに、カーマン・ドランスの支援のおかげで工藤家は復活してしまった。このことは、お婆様と父がずっと納得できなかったことで、君に向けられたものではないんだ。」

工藤みやびは頭を傾げて彼の肩に寄りかかり、言った。「でも、私は工藤家と縁があるわ。」