しかし、二人がほんの一分も得意げにしていられないうちに、実の兄の冷たい視線に一瞥されてしまった。
そこで、すぐに言い方を変えた。
藤崎千明:「兄貴はあんなに賢いんだから、こんなことは俺たちが教える必要なんてないよ。」
藤崎千颯:「プロポーズはとっくにしてるよ、お義姉さんが考えさせてほしいって言ったから、後で指輪をつけたんだ。」
うん、あの時は強引に市役所の前まで連れて行って、もう少しで無理やり中に引きずり込んで結婚させるところだった。
確かにそのプロポーズは少し早すぎたし、強引で理不尽だったけど、一応プロポーズはしたことになる。
藤崎奥様は信じられず、工藤みやびの方を見て尋ねた。
「本当にプロポーズされたの?」
「はい、されました。」工藤みやびは笑いながら頷いた。
確かに、あの時のプロポーズは少し理不尽だったけど、確かにプロポーズはされた。
「それならまだマシね。」藤崎奥様は彼女が本当にプロポーズされたと言うのを聞いて、ようやく藤崎雪哉を許した。
藤崎正男は藤崎千明をちらりと見て、「あなたとその冬芽っていう子は、どうなの?」
「すごく良いよ、今デートから帰ってきたばかりじゃない。」藤崎千明はにこにこしながら言った。
「いつ連れてくるの?」藤崎奥様が尋ねた。
藤崎千明は口の中の肉団子を飲み込んで、言った。
「これはただの知り合いだよ、せいぜい恋愛するくらいで、連れてくるって何のために?結婚する気なんてないし。」
「結婚する気がないのに、どうしてデートなんかするの?恋愛なんてするの?それって不埒じゃない?」藤崎正男は真剣な顔で言った。
藤崎千颯は連続して頷いた、「彼はいつもこうやって不埒なことをしている。」
そして、夕食はすっかり藤崎千明への批判会になってしまった。
藤崎雪哉は食事を終えると、書斎に行って仕事の電話に出た。
藤崎お婆様は彼女を引き止めて、言った。
「みやび、お婆さんと庭園を散歩しましょう。」
「はい。」
工藤みやびは彼女を支えて外に出た。庭園の街灯は明るく、二人はゆっくりと歩いた。
「聞いたわ、本間壮佑たちのせいで、あなたと雪哉が工藤家のその工藤みやびの殺害事件を調査しているって?」藤崎お婆様は何気なく尋ねた。