第610章 本間壮佑:もし彼と藤崎家があなたを受け入れないなら、私たちは日本を離れる

藤崎雪哉が去った後、本間壮佑は一人でリビングに座り、心配事で長い間黙り込んでいた。

福くんが部屋から走り出てきて、彼が一人でいるのを見て、自分で階段を降りてきた。

「パパ、あの悪い叔父さんがパパをいじめたの?」

本間壮佑は思わず笑い、息子を抱き上げて自分の隣に座らせた。

「彼は福くんもいじめたよね、福くんが奥さんに会うのを許してくれなかった。ママに言いつけて、ママに彼をぶん殴ってもらおう!」福くんは怒って言った。

彼のママは言っていた、誰かが彼をいじめたら教えてくれれば、いじめた人をぶん殴ってやると。

でも、ママはこんなに長く出かけたままで、帰ってこない。

本間壮佑は息子の頭を撫でて、「荷物をまとめて、奥さんに会いに行こう」と言った。

福くんはそれを聞くと、すぐに部屋に戻り、自分の持ち物を小さなスーツケースに詰め込んだ。

30分もしないうちに、戻ってきて奥さんに会いに連れて行くよう催促した。

藤崎雪哉が帝都に戻った日、本間壮佑は福くんを連れて工藤みやびが撮影している場所へ行った。

彼らの撮影現場の近くに着いたときには、すでに日が暮れていた。

彼は近くで彼らの撮影が終わるのを待ち、それから彼女に電話をかけた。

工藤みやびは数人の俳優に翌日の撮影シーンについて指示を出してから、帽子とマスクをつけて本間壮佑に会いに急いだ。

かなり離れた場所からでも、福くんは走って飛びついてきた。

「奥さん!」

「奥さん!」

……

工藤みやびは彼を受け止めて抱き上げ、明らかに少し丸くなった小さな頬をつまんだ。

「どうしてまた太ったの?」

「おばあちゃんたちが、福くんは体を大きくするために、たくさん食べなきゃいけないって言ったんだ」福くんは自分を弁解した。

工藤みやびは近づいて、本間壮佑を見た。

「先輩も一緒に戻ってくると思ったわ」

本間壮佑は福くんを無理やり彼女から引き離し、横に置いてスマホでアニメを見せ、飴を一つ渡した。

小さな子供はようやく奥さんから注意をそらし、おとなしく横に座って飴を食べながらアニメを見ていた。

工藤みやびは周りを見回した。この場所は大都市ではないので、日が暮れると人影がまばらになっていた。

だから、周りにはあまり人がいなかった。

「何か用事があって私を探したの?」