第25章 策略!

「弥香、やっと本気になってくれたのね。そうよ、あんな最低な男に安く済ませちゃダメよ。すぐに送るわ」

深井麻衣は神崎弥香の行動に大いに賛同していた。離婚で主導権を握るためには、夫の不倫の確かな証拠を手に入れる必要がある。私立探偵を雇えば時間と労力の節約になり、最終的に得られる成果は探偵に払う少額の費用をはるかに上回るだろう。

電話を切った後、弥香は麻衣から送られてきた相手の情報を受け取った。彼女はためらうことなく、すぐに電話をかけた。二人は電話で簡単に話し合い、その後、海浜市の少し外れた場所にあるカフェで会う約束をした。

弥香は簡単に身支度を整えると、まず銀行へ行って二千万円の現金を引き出し、その後タクシーで約束の場所に向かい、個室に入った。

弥香がドアを開けると、相手はすでに到着していた。25歳くらいに見える女性で、カジュアルな服装に耳にかかる短い髪、鋭く知的な大きな目をしていた。彼女の背後には登山用バックパックが置かれ、全体的に颯爽として魅力的な印象だった。

弥香は彼女があまりにも若いと感じ、目に疑いの色が浮かんだ。

彼女は相手を一瞥してから視線を戻し、女性の向かいに座った。

女性は弥香の懸念を察し、説明した。「私は私立探偵を2年やっています。これまで20件以上の依頼を受け、すべてのケースで依頼者が求める情報を見つけることができました」

「ご安心ください。契約が成立したら、まず30パーセントの手付金をお支払いいただくだけです。もし最終的に私が調査した情報にご満足いただけなければ、手付金は全額返金いたします」

彼女はそんなに自信があるの?

弥香は彼女を見つめ、真剣に尋ねた。「あなたのような若い女性が私立探偵を選んだ理由を聞いてもいいですか?」

女性は一瞬目を伏せ、淡々と話し始めた。「当時の彼氏が私の親友と浮気して、二人で私のお金を全部持ち逃げしたんです。私は密かに証拠を集め、最終的にそのお金を取り戻し、彼とその女を海浜市で社会的に追い込んで、故郷に追い返しました」

弥香はそれを聞いて、眉間にしわを寄せた。感情を抑えながら、女性の話を聞き続けた。