第210章 神崎弥香の疑惑!

二枚の写真、一枚は彼らが臨江楼の入り口にいるもの、もう一枚は彼の家の下にいるもので、画面には彼らが談笑している様子が映っていたが、行動には何の不適切なところもなかった。

今日の封筒を含めると、三神律はこの人物から送られてきた写真を三回目に受け取ったことになる。彼はこの人物が誰なのかわからないが、その目的が彼と神崎弥香の関係を壊そうとしていることは明らかだった。

彼はこの人物の挑発など気にしていなかったが、これらの写真は誰かが常に神崎弥香を尾行していることを示していた。今後は彼女を守るためにボディーガードを派遣するだけでなく、裏で暗躍している人物を突き止める必要があった。

いつものように写真を破り捨てようとした時、ドアの前で足音が聞こえた。時間を確認すると、神崎弥香が来たことがわかった。彼女に写真を見られて余計な心配をさせないように、急いで封筒に戻し、慌てて枕の下に隠した。

彼が隠し終わるとすぐに、神崎弥香が笑みを浮かべてドアを開けて入ってきた。

昨晩のことで、三神律が神崎弥香に全く腹を立てていないというのは嘘だが、彼女を見た瞬間、彼の心はすぐに柔らかくなった。

神崎弥香が彼の側に来ると、彼はすぐに彼女を抱きしめた。彼は頭を下げ、優しい眼差しで彼女を見つめ、心配そうに尋ねた。「弥香、昨夜はよく眠れた?」

神崎弥香も彼を抱き返し、顔を上げて微笑みながら言った。「とてもよく眠れたわ。三神律、さっき医者に会ってきたの。医者は家族の付き添いは不要だって言ってたわ。もうすぐ看護師さんが検査に連れて行くから、私は部屋で待っているわ。検査結果は絶対に大丈夫だと信じてるわ」

「うん」三神律は彼女をもう一度抱きしめ、身をかがめて彼女の額に軽くキスをした。彼の優しい声には少し甘えた調子が混じっていた。

神崎弥香は検査の時間に遅れないよう心配し、すぐに彼から離れ、病床のテーブルを立て、保温容器から食事を一つずつテーブルに並べた。

三神律が食事を終えると、ちょうど医師と看護師が来た。河野くんが三神律を車椅子に抱き上げると、三神律は出発前に神崎弥香の手を握り、優しく言った。「弥香、心配しないで。僕の体は絶対に大丈夫だから」

神崎弥香は心の中では不安だったが、顔には笑顔を浮かべ、確信に満ちた目で頷いて答えた。「うん、帰りを待ってるわ」