第292章 御曹司が神崎弥香にプロポーズ！

神崎翔は神崎弥香を上から下まで見回し、皮肉な笑みを浮かべて言った。「弥香、俺たちは五年も一緒に暮らしたんだぞ。こんなに久しぶりに会ったのに、俺にこんな態度をとるのか？」

弥香は彼を相手にする気はなかった。彼女はドアノブに手をかけ、追い出し始めた。「神崎翔、あなたとくだらない話をする暇はないわ。出て行って、着替えるから！」

神崎翔はドア枠に寄りかかり、弥香をじっと見つめたまま、去る気配はなかった。

弥香はため息をつき、外に向かって歩き出した。しかし彼女が神崎翔の横を通り過ぎようとした瞬間、彼に引き戻された。神崎翔は彼女を壁に押し付け、両腕で彼女を拘束した。彼は瞬きもせずに彼女を見つめた。「弥香、本当にそんなに冷たいのか？昔話をする機会すら与えてくれないのか？」

弥香は神崎翔を横目で見た。彼の顔は赤く、口からは強い酒の匂いがした。明らかに相当飲んでいたようだ。彼女は彼を見つめ、厳しく警告した。「神崎翔、もし私を放さないなら、人を呼ぶわよ。」

神崎翔は弥香を見つめ、厚かましく言った。「いいよ、みんな呼んでくれ。三神律も、望月文臣も、望月家の人たちも。君が元夫とどうやって密会しているか、みんなに見せてやろう。正直、彼らの表情が見てみたいよ。」

神崎翔は無関心な態度を装い、少し間を置いて続けた。「どうせこういうことは、説明しようがない。望月家がまだ君を受け入れるかどうか、見てみたいものだ！」

神崎翔は以前よりもさらに厚かましくなっていた。弥香は目の前の男を見て、嫌悪感を隠さなかった。「神崎翔、あなたは最低ね。本当に卑劣だわ。」

彼は唇の端を上げ、気にしない様子で笑った。「弥香、俺はもう最低になり切ったんだ。だったら徹底的に最低になってやる。でも君が一緒なら、俺は喜んでそうするよ。」

そう言うと彼は弥香の顎をきつく掴み、彼女の顔と体つきを細かく観察し始めた。弥香は彼の束縛から逃れようと必死に抵抗したが、彼の力には敵わなかった。

神崎翔はその後、感嘆の眼差しで言った。「弥香、子供を産んだ後の君は、以前よりも成熟した魅力が増したね。正直、俺たちが離婚してから、君に対する気持ちがどんどん強くなっている。望月文臣と結婚するのはやめて、俺と復縁しないか？どう考えても俺たちは元々の夫婦だし、望月文臣の子供も、俺は気にしないよ。」