第357章 あなたのべたべたする旦那さんを連れてきて、大歓迎するわ

高橋優奈は首を振った。「大丈夫よ、もう説明したから。彼はただ返事をくれるだけかもしれないわ」

根岸詩音は軽く「うん」と返事をして、メニューに集中していた。何か考えているようだった。

高橋優奈はメッセージを開き、綾瀬光秀の返信を見た途端、眉をひそめた。

【行くよ】

本当に詩音の言った通りになったわね……

彼女は思わず顔を上げて、根岸詩音を見た。

彼女はまだ料理を選んでいた。

高橋優奈は視線を戻し、数秒考えてから返信した。

【綾瀬さん、来ないでください。私と詩音は久しぶりに二人きりで食事するんです。大晦日に湾岸レジデンスで一緒に食事したけど、あの時はあなたと河合さんもいたし。今回は私たちだけの時間をください、いいですか?】

メッセージを送った後、高橋優奈は長く息を吐き、スマホを置いて根岸詩音に尋ねた。「注文は決まった?」