第368章 結局はお前の因果応報だ

高橋優奈が言い終わると、綾瀬光秀は頷いた。「わかった、一緒に探そう」

……

部屋の中。

根岸詩音はソファに座り、うつむいたまま、顔色は最悪だった。

長い間、彼女は河合航平を見上げることもなく、何かを言うこともなく、まるで茫然自失の状態だった。

彼女の向かいに座る男性は足を組み、顎に指を這わせながら、彼女をじっと見つめていた。

おそらく根岸詩音がずっと元気のない様子を見るのに耐えられなくなったのか、河合航平は軽く咳払いをして口を開いた。「詩音、そんなに心配しなくていいよ。ここに閉じ込められたのは私のせいではないけど、私にも多少関係があるから、もし何か問題が起きたら、私が手伝って……」

河合航平の言葉が終わる前に、根岸詩音は彼を遮った。「絶対に手を貸さないで」

男性は眉を上げ、目に驚きの色が浮かんだ。「どうして?」

「私の予想が正しければ、氷室陽介はもう客を全員帰らせたわ。その前に、彼はきっと私に対する良くない言葉を言ったはず。だから根岸家の取締役たちも新たな判断と立場を持っているわ。あなたが手を出さなければ、私はまだ数日は持ちこたえられる。でもあなたが一度でも手を出せば、それはまた人々に口実を与えることになるわ」

河合航平は眉をひそめた。「君は気にしすぎだよ」

根岸詩音は淡々と言った。「あなたは私じゃないから、私の立場や気持ちを理解できないのよ」

「詩音、君は女性だ。女性は生まれながらに守られるべき存在だ。なぜそんなにキャリアウーマンになって、ビジネス界の駆け引きを心配する必要があるんだ?」

河合航平のその言葉を聞いて、根岸詩音は彼をちらりと見ただけで、相手にしなかった。

通常、彼女が黙っているときは、相手の意見に賛同しないが、相手にするのが面倒なときだった。

河合航平は少し困ったように肩をすくめ、それから立ち上がって根岸詩音の側に行き、手を上げて彼女の背中を軽くたたいた。

その小さな動作は、慰めのようでもあり、彼女の頑固さに対する無力感のようでもあった。

根岸詩音は頭を下げたまま言った。「座って。もうすぐ優奈がここを見つけるはずだから」

河合航平は彼女の隣に座った。

彼女は顔を向け、視線を男性の顔に落とした。「河合さん、お願いです。何が起きても、私のことに手を出さないでください、いいですか?」