第371章 綾瀬奥さん、私もはっきりとあなたに伝えておく

男が言い終わった後、高橋優奈は真剣に考えた。

彼の言うことには少し道理がある。

しかし……根岸詩音にとっては、そうではない。

根岸と氷室両家の婚約パーティーがどれほど盛大だったか、ホテルを出るときに遭遇した大勢の記者だけでも判断できる。

婚約パーティーの前から、彼女は根岸詩音とこの件の重要性について話し合っていた。

一度問題が起これば、非難を浴びることになる。

そして今、やはり問題が起きてしまった。

高橋優奈は綾瀬光秀を見つめ、唇を引き締めてから彼に言い返した。「綾瀬さん、あなたがそう言うのは自分の罪を逃れようとしているだけです。この件で一番責められるべき人が氷室陽介だということはわかっています。でもあなたも悪事に加担した一人です」

男は彼女を見つめ、尋ねた。「つまり、綾瀬奥さんは最終的に私に有罪判決を下すんですね?」