第448章 どうして今日が私の誕生日だと知っていたの

その三つの言葉を聞いて、男性は喉から笑みをこぼし、両手で彼女をしっかりと抱きしめた。

……

二人が観覧車から降りた後、そのまま前へと歩き出した。

しかし不愉快なことに、雪村郁美がすぐに追いついてきた。彼女は綾瀬光秀の前に立ち、慌ててバッグから何かを取り出し、男性を心配そうに見つめながら尋ねた。「光秀、あなた以前は高所恐怖症だったわよね。これを飲めば症状が和らぐわ」

それを聞いて、高橋優奈は思わず男性を見た。

彼が高所恐怖症?!

知らなかった。それに、さっき観覧車が最高点まで上がった時も、彼に何か反応があったようには見えなかったのに?!

でも雪村郁美のあの心配そうな様子は、嘘のようには見えない。

綾瀬光秀は雪村郁美を一瞥して言った。「以前は高所恐怖症だったが、今はもう大丈夫だ。だから薬は今のところ必要ない。ありがとう」