翌日、綾瀬光秀は車で高橋優奈を南部臨海地区にあるソング傘下の遊園地へ連れて行った。
その遊園地の名前は世紀ワンダーランドといった。
園内のアトラクションは全部で三十近くあり、大型設備が多く、観覧車やジェットコースターのような定番のものはもちろん備わっていた。
入場すると、綾瀬光秀と高橋優奈は園内の地図を一枚手に入れた。優奈は設備の名前を一通り見た後、男性の方を向いて尋ねた。「どれに乗りたい?」
彼は無表情で答えた。「どれでもいいよ、君が選んで」
高橋優奈は口をとがらせた。「私は質問したときに、はっきりとした提案をくれる男性が好きなの。あなたの『どれでもいい』っていうのは、適当に聞こえるわ。まるで私とこんな低レベルな話題を議論したくないみたいじゃない」
彼は「……」