宮本深は窓際に歩み寄り、窓を開け、友人にタバコを一本投げ、片手で火を包むようにして火をつけた。
友人はタバコを受け取ったが、吸わなかった。
煙の中の宮本深を見ながら、彼は不思議そうに尋ねた。「この女性は一体誰なんだ?お前が直々に付き添うなんて。折木和秋が怪我をした時は、一晩も付き添わなかったじゃないか。あの日の早朝、お前が別の病室から出てくるのを見たが、もしかしてあの女性の部屋か?」
「ああ」宮本深はあっさりと答えた。
友人はよろめきそうになった。
急いで宮本深の前に歩み寄り、彼の襟元にある痕跡を驚きながら確認した。
最初は確信が持てなかったが、はっきり見えた瞬間、彼は全身が痺れたような感覚になった。
宮本深が?
キスマーク?
ありえない!
宮本深と折木和秋は3年も付き合っているのに、キスマークどころか、二人が手をつないでいるところすら見たことがない。