第33章 折木和秋優先

宮本深は窓際に歩み寄り、窓を開け、友人にタバコを一本投げ、片手で火を包むようにして火をつけた。

友人はタバコを受け取ったが、吸わなかった。

煙の中の宮本深を見ながら、彼は不思議そうに尋ねた。「この女性は一体誰なんだ?お前が直々に付き添うなんて。折木和秋が怪我をした時は、一晩も付き添わなかったじゃないか。あの日の早朝、お前が別の病室から出てくるのを見たが、もしかしてあの女性の部屋か?」

「ああ」宮本深はあっさりと答えた。

友人はよろめきそうになった。

急いで宮本深の前に歩み寄り、彼の襟元にある痕跡を驚きながら確認した。

最初は確信が持てなかったが、はっきり見えた瞬間、彼は全身が痺れたような感覚になった。

宮本深が?

キスマーク?

ありえない!

宮本深と折木和秋は3年も付き合っているのに、キスマークどころか、二人が手をつないでいるところすら見たことがない。