第66章 表舞台に立てない

林知恵は目を見開いて目の前の男を見つめた。

彼は両手を上げて襟を掴み、前に引っ張ると、パーカーが一瞬で脱ぎ去られ、服の下に隠されていた引き締まった肉体が露わになった。

両腕を上げたため、腹筋も連動して動き、筋肉の一つ一つがはっきりと浮き出て、余分な脂肪は一切なかった。

林知恵が少し呆然としていると、突然セーターが顔面に投げつけられた。

宮本深はテーブルに斜めにもたれかかり、林知恵を意味ありげに見回して言った。「あの夜、見足りなかった?病気になりたくなければ、中に入って着替えろ」

林知恵は顔を赤らめ、セーターを掴んで小さな仕切りの中に駆け込み、カーテンを下ろした。

その後、二人とも何も言わず、空気の中には林知恵の衣服を脱ぐ音だけが響いていた。

宮本深はタバコを取り出し、目を伏せて火をつけようとした時、視線がカーテン上の影に奪われた。