林知恵は目を見開いて目の前の男を見つめた。
彼は両手を上げて襟を掴み、前に引っ張ると、パーカーが一瞬で脱ぎ去られ、服の下に隠されていた引き締まった肉体が露わになった。
両腕を上げたため、腹筋も連動して動き、筋肉の一つ一つがはっきりと浮き出て、余分な脂肪は一切なかった。
林知恵が少し呆然としていると、突然セーターが顔面に投げつけられた。
宮本深はテーブルに斜めにもたれかかり、林知恵を意味ありげに見回して言った。「あの夜、見足りなかった?病気になりたくなければ、中に入って着替えろ」
林知恵は顔を赤らめ、セーターを掴んで小さな仕切りの中に駆け込み、カーテンを下ろした。
その後、二人とも何も言わず、空気の中には林知恵の衣服を脱ぐ音だけが響いていた。
宮本深はタバコを取り出し、目を伏せて火をつけようとした時、視線がカーテン上の影に奪われた。
林知恵はハイネックのセーターを脱いでおり、腕を上げた時に、曲線美のあるボディラインが露わになった。
ぼんやりとした影、しなやかな姿。
彼女はもともと華やかな美人で、何の努力もせずとも、蔦のように男性の細胞一つ一つに絡みつき、ちょうど良い色気で人を惹きつけるのだった。
宮本深のライターが熱くなり、彼はようやくタバコに火をつけ、一気に吸い込んだ。
薄い白い煙越しに、カーテンの後ろの人が小さな動きをするのを見ていた。
林知恵は片手で彼のセーターを掴み、襟元に向かって二回手のひらで叩いた。まるで彼を叩いているかのように。
唇を微かに動かし、ぶつぶつと文句を言っている。
彼女は今、頑固で大胆になっていた。宮本深は確信していた、彼女の罵りの言葉はすべて本心からだと。
最後に、彼女は不本意ながらセーターを着て、あちこち引っ張ってから、ようやくカーテンを開けた。
出てきた女性を見て、宮本深は目を細めた。
彼のセーターは彼女にとってはワンピースのようなもので、だぶだぶとしていたが、隠しているようで逆に人を惹きつける感じがあった。
林知恵は気まずそうに言った。「行けるよ」
「田中慎治がまだ来ていない。少し待とう」
宮本深は無造作にタバコの灰を払い、ワインセラーに歩み寄り、一本のワインを選んだ。
林知恵はラベルをちらりと見た。折木和秋が持っていたものよりもさらに高価だった。
「少し飲んで寒さを和らげよう」