第65章 なぜ服を脱ぐの?

宮本深が折木和秋を連れて出ていく時、彼の肩に寄りかかっていた折木和秋は林知恵に恨みがましい視線を投げかけた。

彼女は折木和秋がまた恨みを抱いたことを悟った。

林知恵は首を回して不思議そうに田中悦子を見た。

「何を言ってるの?」

「知恵、ごめんね、お酒が回って冗談を言っちゃった。気にしないで。」

田中悦子の頬は赤く、確かにかなり飲んでいた。

林知恵も酔った勢いで言った言葉を真に受けるわけにはいかず、唇を噛んで黙るしかなかった。

みんな酔いが回り、本性を解放し始めていた。

田中悦子はふらふらと立ち上がって言った。「私は新参者ですから、まずは先輩方に一杯献杯します。」

そう言うと、一気に飲み干し、グラスを逆さにしてみんなに見せた。

その後、他の人たちは林知恵を見た。

彼女は仕方なく立ち上がり、グラスを掲げて言った。「私もみなさんに乾杯します。」

先ほど折木和秋がいた時にも、みんなにたくさん飲ませていたので、林知恵はこのグラスを飲み干すと、頭がくらくらした。

今度は本当に酔ってしまった。

みんなも時間が来たと思い、立ち上がって帰る準備をした。

田中悦子は林知恵を支え、小さな声で言った。「知恵、同僚に送ってもらったら?」

「僕が送ります。」

「僕が送ります。」

男性の同僚たちが自ら名乗り出た。

林知恵は酔っていたが、まだ意識はあった。彼女は新参者として目立ちすぎてはいけないことをよく理解していた。

彼女は携帯を振って見せた。「車を呼んだから、みんな先に行って。」

田中悦子は少し眉をひそめ、心配そうに何か言いかけた。

林知恵はすぐにバッグを背負い、軽く笑ってみせた。

他の人たちは彼女が大丈夫そうなのを見て、それぞれ挨拶して帰っていった。

林知恵はほっと息をつき、両足がふらついていたので、急いで座って少し休んでから行くことにした。

……

駐車場。

折木和秋は宮本深に寄り添って車に乗り込んだ。酒の香りとイランイランの香水の香りが混ざり合い、空気中で甘い雰囲気を醸し出していた。

彼女は両手を宮本深の肩に置き、柔らかく言った。「三男様、私、苦しいわ。」

半分酔った状態で、彼女は指先で彼の襟元を軽くなぞり、大胆さの中に女性特有の恥じらいを混ぜていた。

これで宮本深の心を動かせないはずがないと彼女は思った。